2013年3月21日木曜日

              

奥多摩トレッキングコース『大多摩ウォーキングトレイル』

 2013/03/21(木)

東京都奥多摩町が設定している奥多摩トレッキングコースには登山コース(雲取山、御前山・三頭山、大岳山・御岳山、川苔山)とハイキングコース(大多摩ウォーキングトレイル、ふれあい森林浴コース、奥多摩むかし道)がある。

奥多摩には以前奥多摩湖の小河内(おごうち)ダムの見学に訪れている。
そのときはあいにくの天気でどうにも不完全燃焼な感じであったので、何か別の目的でまた奥多摩には訪れたいと思っていた。
小河内ダム下流をを流れる多摩川にはもう一つダムがあり、白丸(しろまる)調整池という。

白丸調整池へのアクセスを調べると、大多摩ウォーキングトレイルというハイキングコースがあり、更にそのコースの終点(奥多摩駅)付近にもえぎの湯という天然露天温泉があるということが判明。
ウォーキング・ダム・温泉の3つの好物を目当てに有給休暇を取得して二度目の奥多摩に向かった。



コース始点である古里(こり)駅に到着。
これから登山に向かうらしい若者達にカメラのシャッターを任されたりしてちょっと怯んだ。
今日は快晴。少し肌寒いが、ウォーキングには絶好の日和である。
駅から少し歩くとこのような標識がある。
この指示に従って行けば良いらしい。
最近立てられたのか表示は綺麗で読みやすく、割と頻繁に分岐点に表れるので迷うことはなさそうである。
これによるとここは小丹波というところで、数馬峡橋まで4.4kmとのことである。
Bコースというのが何のことなのかは判然としないが……






道の脇に早速いい感じの沢と小滝が。















なにやら大きな赤いアーチ橋が見えてきた。寸庭(すんにわ)橋というらしい。














橋を渡るとコースは川沿いの森の中に入っていく。
ここから舗装はなくなり、ハイキングコースらしい踏み跡の道になる。












小川の作る谷間の森の中を歩く。
高木に日光が遮られて薄暗い。
少しアップダウンもあって歩き、景色ともに変化に富んでいて楽しい。
しばしテンションが上がる。

と、ここで道を見失う。
森でよく見かける赤いテープがあったので、それを道しるべに谷の左側を登っていくと……
舗装道に出た。どうも道を間違えたらしい。
道を見失ったところまで戻り、そこに立っている標識をよく見ると……
隅っこに小っさい文字で「鳩ノ巣方面は橋を渡って行く」と書いてあった。川を渡って谷の右を登るのね……。少し無駄な体力を消耗。

これは……なんだろう。
近付いてみると人が出入りできる物ではなく、単純に大きなコンクリート構造物のようである。
土砂崩れ防止の法面工にしては変だし、護岸工でもないよね。
あえて言うなら橋台に見える。とすれば未成の橋だろうか。
コースは右端のしょぼい鉄パイプで組んだ仮設橋を渡っていくので、ここに大きな橋がかかるとちょっと迫力のある景色になるだろう。

そして実はここから急勾配の上りが始まる。想像以上に長くて結構しんどい。



大汗をかいてコートを脱ぎ捨て息を切らしながら坂を登り切ると、こんなに上ってきていた。
途中にあった標識に小っさい文字で「あと7分は、急な登り坂です」って書いてあったときは「マジかよ……」ってなった。マジ疲れた。
東屋が展望台になっていて見晴らしが良い。椅子があるのでしばし休憩して息を整える。
ここから更に登ると御岳山の大楢峠らしい。
コースはここからようやく下り。









ずんずん坂を下っていくとやがて森を抜ける。
舗装道を歩き雲仙橋を渡ると鳩ノ巣駅に到着。















鳩ノ巣駅からコースに戻る。
道を枯れ枝が塞いでるので潜ったりしながら進むと、双竜の滝が現れる。
白筋が岩を舐めるように走り、滝壺から轟音を立てている。
まさに竜が天に昇るような壮大な滝でなかなか見ごたえがある。これは見れて良かった……のだけど、双竜ってことは滝が二条になってるべきなんじゃないの。
よく見るとなんか一本滝が通ったことのあるような筋跡が岩に確認できる。一本は枯れてしまったのだろうか……。












双竜の滝の先はなんと立入禁止になっていた。
通行できたら、ここからこの先の渓谷にアクセスできたのだろうか……













鳩ノ巣渓谷だ!
おー、どこぞのテーマパークのアトラクションみたいに景気良く河が流れている!そして吊り橋が揺れる!ゆらゆら。












コースの岩場を歩いていると、対岸に人工物と思しき洞穴を発見。
うむう、何だろう。昔はあっちにも道があったのかもしれない。












鳩ノ巣渓谷を抜けて谷を登ると……白丸調整池ゲット!
今回の旅の目的の一つはこのダムを見にきたと言ってもいいんだけど……
なんだろう、このダムは渓谷という大自然の中にありながらちょっと肩身が狭そうというか浮いてしまっているというか……
白丸調整池は重力式コンクリートダムで、発電専用ダムである。魚がダムを通過できるように魚道が整備されていて、その見学が出来るということで楽しみにしていたのだが……
なんと平日は見学させてもらえないという。
かなりテンションが下がる。だうーん。



そして追討ちをかけるように崩落のため通行止!である。
うーむ、仕方なく青梅街道を行く。













青梅街道を行き白丸駅に到着。
ここから数馬峡を通るコースに復帰できるのだが、ここにはちょっと寄り道しておきたい「数馬の切通し」というものがある。
解説によれば、江戸時代のはじめまで山越えをしていたところを、元禄の時代にこのような切り通しを穿ったことで物流交流が可能になったのだとか。
かつての先人の息吹の感じられる素朴でいい感じの道である。きっと多くの人がここを通って江戸の町へ往来したのだろうなあ。これは是非見ておきたい。











ちなみに切通しの下には現道が走る現トンネルの脇に大正時代に穿たれたトンネルもある。今は車止めがあり車両通行は出来ないようだが、こうして歩行での通行は可能である。
素掘りで荒々しい感じの大正トンネルもまた良し。

ところで切通しの脇には更に前時代の道跡があり……それも合わせるとこの山には合計4世代の道が折り重なっている。
現代でも道路のルート改良なんてよく行われているが、こうしてそれぞれが何らかの形跡を残して存在しているというのは歴史を肌で感じられるようで感慨深い。









数馬峡を行く。
鳩ノ巣渓谷と違って河の水面は静かなのが印象深い。
ダムという人の営みはこうして自然の在り様を変えているのだな……











その先にあるのが氷川発電所である。
うーむ分かりやすい水力発電所……
ダムには萌えるけどこういうのにはいまいち萌えない。


















数馬峡を抜けると舗装道を歩き、やがて街中になる。
標識は数馬峡が最後だったようでそれ以降見なくなった。
もえぎの湯の案内標識に従い街の裏路地のような道を抜けると……
なかなか壮大な吊り橋があった。
女子学生が一人橋を歩いているのがやたらと絵になっていた。
この橋を渡るとすぐもえぎの湯である。






素晴らしい温泉だった。露天風呂からの眺めは最高で、疲労した脚を湯が癒してくれた。
なんぞ古代の地層より湧き出る湯らしい。うーん、なんかぬるぬるするし肌に良さそうである。温泉最高!
ついでに遅めの昼食をいただいた。川魚の塩焼きと炊き込みご飯の定食を注文。これもうまいのなんの……
川魚最高!








もえぎの湯から少し歩くと奥多摩駅に到着。
15.6kmを4時間15分で踏破。
一人旅としては最高のコースでした。
今度は奥多摩むかし道を歩こうか等と考えながら青梅線に乗り込み千葉への帰途へついた。
         

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